人が集まる職場づくりのヒントが満載――「介護の未来をひらく働き方改革~好事例から学ぶマネジメント~Vol.1」
このほど、介護事業者のマネジメント改革や働き方改革などをまとめたデジタル版冊子「介護の未来をひらく働き方改革~好事例から学ぶマネジメント~Vol.1」が発行されました。これは、株式会社朝日新聞社が、厚生労働省補助事業の「令和4年度 介護のしごと魅力発信等事業(情報発信事業)」として実施し、公表したもの。
見ると、介護事業者のみならず、医療機関にとってもヒントになる「働きやすい職場づくり」のノウハウが詰まっていました。
「介護の未来をひらく働き方改革~好事例から学ぶマネジメント~Vol.1」とは
この冊子では、人手不足がずっと言われているなかでマネジメントを工夫して安定的に人材を確保している施設を「好事例施設」として取り上げ、10の施設の事例を紹介しています。
それぞれの施設では、採用のために(とくに介護助手の採用)、そして働きやすい職場をつくるために独自の工夫を行っていますが、共通して語られているのが「アクティブシニアにいかに活躍してもらうか」です。
病院でも、元気な高齢者に介護助手や看護助手として働いてもらう動きも出てきています。好事例施設ではどんな工夫を行っているのか、「採用の工夫」と「長く働いてもらうための工夫」に分けてご紹介します。
介護助手採用の工夫
- 業務を分解して、こまぎれのシフトを導入
医療機関でもタスクシフトの必要性が指摘されていますが、介護施設でも、専門職が専門性をいかした仕事に注力できるよう、介護助手の導入が進められています。
ある特養では、すべての仕事を洗い出し、全仕事を105の業務に切り分けたうえで、こまぎれシフトを導入して、短時間勤務を希望するアクティブシニア層の雇用につなげたそうです。
- 「介護」ではなく、業務内容を絞る
未経験者にとって介護や医療は“専門的な仕事”というイメージが強いもの。また、「大変そう」「難しそう」という印象もあると思います。
そこで、介護助手の採用では、介護というワードを使わず、「家事援助」という言葉を前面に押し出しているという施設も。週1回1時間からの勤務も可能など、時間の自由度が高いことも強調しているそうです。また、「介護の仕事」と幅をもたせると業務がわかりにくいため、周辺業務に限定して募集することが大切との指摘もありました。
- 全世代対象ではなく、アクティブシニアに絞って募集
介護助手としてアクティブシニアに活躍してほしいとは思っても、いざ募集となると、「多くの人に応募してほしい」と思い、全世代を対象に募集をかけるところが多いと思います。その結果、働き世代からは敬遠され、アクティブシニアからは「自分が働き手の対象になると認識してもらえなかった」という事例もあるそうで、働き手の対象範囲を広げず、あえてアクティブシニアに絞って募集したほうがいい、とのアドバイスもありました。
辞めずに働いてもらう、長く働いてもらう工夫
- 業務に対する思い違いを防ぐ
業務に対する思い違いやミスマッチがあると、退職につながります。そのため、採用時に業務内容を丁寧に説明することが重要という話も、複数の事例で共通して語られています。
ある施設では、たとえば訪問介護の人材を募集する際には、1日のスケジュールや訪問件数、訪問の移動手段まで明記し、業務内容を具体的に伝える工夫をしているそうです。
- 得意なことで力を発揮してもらう
辞めない工夫として、得意なことを見極めて任せるということも複数の事例で共通していました。ある施設では、介護助手に担ってもらいたい業務を洗い出したうえで、それぞれの性格や得意・不得意を考慮して作業を振り分けているそうです。
- 受け入れ側の意識も大切
職員がモチベーション高く働けるには、職場の雰囲気作りも大事です。ある施設では、正職員だけではなく、短時間のパート職員も理事長との面談を定期的に行い、自由に意見を言える場を設けているそうです。また、介護助手が間接業務をしてくれることに対し、「『あの職員は間接業務しかやらない』ではなく、『短時間でも助けてくれるおかげで、自分たちが本来の業務に専念できる』という考え方を正職員が持てるように」との指摘もありました。
これらは、介護施設での職場づくりの事例ですが、医療機関にも共通することだと思います。気になった方は、冊子「介護の未来をひらく働き方改革~好事例から学ぶマネジメント~Vol.1」(https://www.asahi.com/ads/korekarano_kaigo/assets/pdf/pdf01.pdf)をご覧になってください。
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