新型コロナで受診抑制、医療機関への影響は?
新型コロナウイルス感染症の流行で社会全体がさまざまな影響を受けていますが、医療機関も例外ではありません。
一部の病院で院内感染が起こったことが報じられていますが、それだけではなく、患者さんの受診状況の変化や小学校などの一斉休校による職員の方への影響など、苦慮されている医療機関も多いのではないでしょうか。
半数が「外来患者が減っている」
安倍首相が、全国の小中学校と高校、特別支援学校に臨時休校を要請する考えを表明したのが2月27日のこと。これを機に、「不要不急の外出は自粛しよう」との機運が一気に高まり、3月に入ってから多くの医療機関で受診抑制が起こっていると聞きます。
「日経メディカルonline」が医師会員3,668人を対象に3月13日から17日にかけて行った調査によると、約半数の医師が「1年前の同じ時期と比べて外来患者数が減っている」と回答したそうです。
しかも、全体の1割強の人が「25%以上50%未満減っている」と回答。さらには割合としては少ないものの、「50%超減っている」(3.5%)、「外来機能を停止している」(0.2%)との回答もあったそうです。
とくに影響の多い診療科は?
この調査では、診療科でのクロス分析の結果も紹介されていました。それによると、「外来患者が減っている」「外来機能を停止している」と回答した人の割合がとくに多かったのが、小児科、整形外科でした。
その背景には、新型コロナウイルス感染症予防のために手洗い・うがいやマスクの着用などを徹底している人が増えたことでインフルエンザを発症する子どもが減っていること、学校や部活が休みになったためにケガをする子どもが減っていることなどがあるようです。
また、整形外科では高齢の患者さんも多いため、待合室などでの感染を恐れて受診を控えている高齢の方も多いのではないでしょうか。
新型コロナ関連の助成金、支援制度も
そのほか、医療機関は女性の職員が多い職場でもあります。学校の一斉休校によって急遽休まざるを得なくなった職員の方が出てなんとかシフトを組み替えた、というところも多いでしょう。
こうした状況をふまえ、政府も事業主を支える助成金を用意しています。
●新型コロナウイルス感染症による「小学校休業等対応助成金」
新型コロナウイルス感染症対策で臨時休業となった学校に通う子どもをもつ職員に、有給休暇を取得させた事業主に対する助成金制度です。
1人1日あたり8,330円を上限に、「有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10」が支給されます。半日単位や時間単位の休暇も対象となっています。
*「小学校休業等対応助成金」に関するリーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000605827.pdf
●「雇用調整助成金」の特例の追加実施
雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動を縮小しなければいけなくなった事業主が、労働者に対して一時的な休業などを取らせて雇用の維持を図った場合に、休業手当や賃金等の一部を助成するものです。
休業した場合、1人1日あたり8,330円を上限に、大企業の場合は2分の1、中小企業の場合は3分の2が助成されます。
*厚生労働省「雇用調整助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
また、新型コロナウイルス感染症の影響で外来の受診抑制が起こっていると冒頭で書きましたが、その結果、例年に比べて医業収入が減っている医療機関もあると思います。そうした事業者を支援する仕組みも用意されています。
たとえば、当初3年間は実質的に無利子となる「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や、民間金融機関から融資を受ける際に最大2.8億円の保証を受けられる「セーフティネット保証」などがあります。
*経済産業省「新型コロナウイルス感染症関連」
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