病院の統廃合、国民の7割が「賛成」
今年9月、厚生労働省が、再編・統合の検討が必要な公立・公的病院として424病院の実名を公表し、ニュースになりました。病院関係者や地方自治体の間ではかなり反発の声があがっていることが報じられていますが、このほど、内閣府が行った世論調査で、国民の7割近くが、複数の医療機関を統廃合して医療従事者を集約することに「賛成(どちらかといえば賛成、も含む)」と回答したことが明らかになりました。
内閣府が行った世論調査
これは、内閣府が今年7月に行った「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査」の結果の一部で、調査対象は18歳以上の5千人、有効回収数は2,803人(56.1%)です。
この調査では、設問の一つに次のようなものがありました。
「複数の医療スタッフで業務を分担しながら24時間診療が行えるよう、いくつかの医療機関を統廃合することにより、医療スタッフを集めるという考えに賛成ですか、それとも反対ですか」
これに対し、「賛成」が33.2%、「どちらかといえば賛成」が35.6%、「どちらかといえば反対」が23.5%、「反対」が4.7%という結果でした。
病院までの所要時間を問う設問も
さらに、「入院の必要がない病気やケガの診療を受けるような医療機関までの、自宅からの所要時間として、許容できる最長の時間」「数日間の入院が必要な病気やケガの診療を受けるような医療機関までの、自宅からの所要時間として、許容できる最長の時間」を問う設問も設けられていました。
入院が不要なほうでは、もっとも多かった回答は「15分以上~30分未満」で、およそ半数を占めていました。
続いて、「30分以上~1時間未満」が30.1%、「15分未満」が14.6%、「1時間以上~1時間半未満」が2.9%という結果でした。
一方、数日間の入院が必要なほうでは、「30分以上~1時間未満」の回答が多くなり、43.7%。
「15分以上~30分未満」が35.2%、「1時間以上~1時間半未満」が9.6%、「1時間半以上~2時間未満」が2.4%でした。
今後の議論の指標に
今回の世論調査の目的は、「医療のかかり方・女性の健康に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とする」こととされています。
今回の世論調査では約7割が、医療機関を統廃合し、医療者を集約することに「賛成」の意を示しました。このことは、今後、厚労省の検討会などでも指標の一つとして使われていくのだと思います。
◎内閣府 世論調査 「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査」
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