オンライン資格確認の義務化、経過措置には届出が必要

オンライン資格確認が、今年4月から原則として義務化されます。

やむを得ない事情ですぐに対応できない医療機関・薬局には経過措置が設けられますが、経過措置を受けるには3月末までの届出が必要です。

 

そもそもオンライン資格確認とは

 

改めて、オンライン資格確認とは何でしょうか。簡単に説明すると、医療保険の資格の確認がオンラインでできるようになる仕組みです。

マイナンバーカードと従来の保険証の2通りの方法があり、マイナンバーカードの場合、カードリーダーで読み取り、患者さんに顔認証や暗証番号を入力してもらうと、最新の保険資格を自動的に取得できます。

保険証の場合も、保険証番号などの最小限の入力で、保険資格の確認をその場で行えます。

 

オンライン資格確認の経過措置は

 

「原則」義務化されることが決まりましたが、2022年度末時点で“やむを得ない事情”がある医療機関・薬局には期限付きの経過措置が設けられました。

この「やむを得ない事情」として厚生労働省は次の6種類を挙げています。

 

2023年2月末までにベンダーと契約は締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了の保険医療機関・薬局(システム整備中)

この場合、ベンダーのシステム整備が完了する日まで(遅くとも2023年9月末まで)経過措置を継続。

 

②オンライン資格確認に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない保険医療機関、薬局(ネットワーク環境事情)

この場合、光回線のネットワークが整備されてから6カ月後まで経過措置を継続。

また、オンライン資格確認を用いるにはインターネット回線を用いる方法(IPSEC+IKE 方式)も可能です。オンライン資格確認に接続可能な光回線が使用できない場合には、こうした方式による導入が望ましいとされています。

 

③訪問診療のみを提供する保険医療機関

居宅におけるオンライン資格確認の仕組み(居宅同意取得型)の構築を現在進めています。これは2024年4月の運用開始を予定されているため、この運用開始までの経過措置が設けられます。

 

④改築工事中、臨時施設の保険医療機関・薬局

改築工事が完了するまで、あるいは臨時施設が終了するまで経過措置を継続。

 

⑤廃止・休止に関する計画を定めている保険医療機関・薬局

国は、2024年秋の保険証廃止をめざしています。そのため、2024年秋までの廃止・休止を決めている場合は、オンライン資格確認を導入できないやむを得ない事情と考えられ、廃止・休止に関する計画を提出の上、廃止・休止の間までの経過措置が設けられます。

 

⑥その他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局

個別に判断し、その「特に困難な事情」が解消されるまで経過措置が設けられます。

 

高齢でレセプト件数が少ない場合も

 

「その他」の事情に当たるのは、どのようなケースでしょうか。

これについては、次の2つが挙げられています。

 

  • 自然災害等により継続的に導入が困難となる場合
  • 高齢の医師等でレセプト取扱件数が少ない場合

(目安として、2023年4月時点で常勤の医師等が高齢であって、月平均レセプト件数が 50 件以下であること)

 

このほかにも、先に紹介した①から⑤のやむを得ない事情と同様の困難な事情がある場合には、個別に判断されることになります。

 

経過措置の届出の方法

 

上記のような経過措置を受けるには、届出が必要です。

届出は、原則、医療機関等向けポータルサイト(https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/)を活用して、遅くとも3月31日までに行う必要があります。

 

 

思えば、レセプト請求も、2011年よりオンライン請求が原則義務化されましたが、それから10年が経った現在でも経過措置を受けている医療機関はあるようです。同じように、オンライン資格確認も時間をかけて徹底していくのだと思いますが、少なくとも端末等は補助金が出る間に確保することをおすすめします。

 

 

※参照

厚労省通知「保険医療機関及び保険医療養担当規則等の一部改正に伴う実施上の留意事項について」

https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001046238.pdf

 

厚労省資料「オンライン資格確認原則義務化の経過措置について」

https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001062516.pdf

 

 

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