医療機関のウェブサイトも広告規制の対象に

医療法の一部改正により医療に関する広告規制が見直され、これまで規制対象外とされていた医療機関のウェブサイトも、広告規制の対象となりました。
そして、厚生労働省は「医療広告ガイドライン」(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針)を策定し、6月1日より施行しています。

このガイドラインには「禁止の対象となる広告の内容」として、次の8つが挙げられています。

① 広告が可能とされていない事項の広告
医療法または広告告示により広告可能とされた事項を除いては、原則、広告が禁じられている。
具体的には、
「死亡率、術後生存率等」
「未承認医薬品(海外の医薬品やいわゆる健康食品等)による治療の内容」 など

② 内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)
広告に示された内容が虚偽である場合、患者が適切な受診機会を喪失したり不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられている。
具体的には、
「絶対安全な手術です」
「どんなに難しい症例でも必ず成功します」
「加工・修正した術前術後の写真等の掲載」
(治療後の定期的な処置等が必要にもかかわらず)「一日ですべての治療が終了します」など

③ ほかの病院または診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)
事実であったとしても、「日本一」「ナンバーワン」「最高」などの最上級の表現、そのほか優秀性について著しく誤認を与える表現は禁止される。
具体的には、
「肝臓がんの治療では、日本有数の実績を有する病院です」
「当院は県内一の医師数を誇ります」
「本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております」
「著名人も○○医師を推薦しています」  など

④ 誇大な広告(誇大広告)
必ずしも虚偽ではないが、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容などについて、事実を不当に誇張して表現していたり、人に誤認させる広告のこと。
具体的には、
「手術や処置等の効果または有効性を強調するもの」
→撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した術前術後の写真など
「比較的安全な手術です」
「○○手術は効果が高く、おすすめです」 など

⑤ 患者等の主観に基づく、治療等の内容または効果に関する体験談
個々の患者の状態等により感想は異なるため、主観的な体験談は、医療に関する広告としては認められない。
ただし、個人が運営するウェブサイトや口コミサイトなどへの体験談の掲載は、医療機関が広告料などを支払っていない限り、広告には該当しない。

⑥ 治療等の内容または効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前または後の写真等
いわゆるビフォーアフター写真のこと。ただし、術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、主なリスク、副作用等に関する事項の詳細な説明をつけた場合は、これに当たらない。
具体的には、
「術前または術後(手術以外の処置等を含む)の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なもの」 など

⑦ 公序良俗に反する内容の広告
わいせつもしくは残虐な図画、映像、差別を助長する表現を使用した広告など。

⑧ そのほか
品位を損ねる内容の広告、他法または他法令に関連する広告ガイドラインで禁止される内容の広告。
具体的には、
「今なら〇円でキャンペーン実施中!」
「ただいまキャンペーンを実施中」
「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」
「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」
「医薬品『〇〇錠』を処方できます」 など

 

今回策定された「医療広告ガイドライン」は、下記に掲載されています。

◎医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)等について(通知)(医政発0508第1号 平成30年5月8日)の掲載
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000206548.pdf

医療機関関係者は、一度目をとおしておくことをおすすめします。

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