1割の連携システムが有効活用されていない⁉

診療データなどを施設の壁を超えて地域の病院、診療所、介護施設などで共有する「医療連携ネットワーク」は、過剰な診療や重複する投薬を防げるなど医療の効率化とともに、医療連携の促進につながると期待されています。
ところが、その一部が、まったく利用されていなかったり、利用が低調であったりすることが、会計検査院の調査によってこのほど判明しました。

1割のシステムが「利用不可」「登録皆無」

これは、会計検査院が10月28日に公表した「医療介護提供体制改革推進交付金等により造成した基金を活用して実施する事業について」という資料で指摘されたものです。

平成25年度から29年度までの間に18都道県が交付した基金助成金により104事業主体が整備等を行った60の医療情報連携ネットワークシステムを対象に、システムの整備状況や運用状況などを調べたところ、6都道県(東京都、北海道、福島、千葉、愛知、鳥取)の9つのシステムが、「利用可能な状態になっていないまま、1年以上継続していた」り、「整備されたシステムへの参加患者の登録が皆無で、システムがまったく利用されていない」といった状況に陥っていたそうです。

基本機能に不備や、参加者がゼロ

指摘された9つのシステムのうち、北海道の医療・介護情報共有システムと千葉の医療画像地域医療連携システムの2つは、システムの基本機能などに不備がある状態のまま検収が終えられ、システムが利用可能な状態となっていないまま1年以上が経っていたそうです(ただし、千葉のシステムのほうは、2019年6月から利用が開始されたとのこと)。

また、東京、千葉、愛知、鳥取の4都県の5事業主体が整備を行った5つのシステムは、システムの整備が完了して1年以上経過しているにもかかわらず、参加医療機関や参加患者が皆無でまったく利用されていなかったり、2019年3月末時点での参加患者数が50名以下と利用が低調だったりしました。
さらに、福島、愛知の2県における2つのシステムは、システムの整備が完了して1年以上経過しているにもかかわらず、システムの一部の機能がまったく利用されていなかったり、利用が低調となっていたりしたそうです。

こうした連携システムは、もともと施設間で良い関係が構築されていなければ難しい、個人情報の観点から患者さんの同意を得るのが難しいといった話も耳にします。
ただ、当たり前のことですが、システムは利用してこそ価値を発揮するものです。
せっかくお金をかけて構築したのですから、ぜひ、地域で効果的に使っていただきたいと思います。

会計検査院「医療介護提供体制改革推進交付金等により造成した基金を活用して実施する事業について」
https://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/31/pdf/11028_zenbun_02.pdf

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