2024年度診療報酬改定で進む「医療DX」

 2024年度診療報酬改定のポイントの一つが、医療DXの推進です。
 今回の改定では、「医療情報取得加算」「医療DX推進体制整備加算」「在宅医療DX情報活用加算」が新設されました。

 下記の図は、今回の改定における医療DXに関する全体像です。

※厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要・全体概要版」より

 

■「医療情報取得加算」とは

 従来の「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が、「医療情報取得加算」に変わりました。
 医療情報・システム基盤整備体制充実加算はオンライン資格確認などの体制が整っていることを評価した加算でしたが、オンライン資格確認システムの導入が原則義務化されたことを受けて、“体制整備”に関する評価から“情報活用“に関する評価に変わり、名称も新たになりました。初診時、再診時ともに、十分な情報を取得して診察を行った場合(同加算1、3)、点数が高くなっています。

 <初診時>
 ・医療情報取得加算1(月1回限り)+3点
 ・医療情報取得加算2(月1回限り)+1点

 <再診時>
 ・医療情報取得加算3(3月1回限り)+2点
 ・医療情報取得加算4(3月1回限り)+1点

■「医療DX推進体制整備加算」とは

 オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報を実際に診療に活用できる体制を整備するとともに、電子処方せん・電子カルテ情報共有サービスを導入し、質の高い医療を提供するための医療DXに対応する体制を確保している場合の評価が、「医療DX推進体制整備加算」です。

 ・医療DX推進体制整備加算 8点
 ・医療DX推進体制整備加算(歯科点数表初診料) 6点
 ・医療DX推進体制整備加算(調剤基本料) 4点

 医科医療機関の主な施設基準は次の通りです。

(1)オンライン請求を行っていること
(2)オンライン資格確認を行う体制を有していること
(3)医師が、オンライン資格確認を利用して取得した診療情報を、診察室、手術室又は処置室等において、閲覧・活用できる体制を有していること
(4)電子処方せんを発行する体制を有していること ※経過措置 令和7年3月31日まで
(5)電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有していること ※経過措置 令和7年9月30日まで
(6)マイナンバーカードの健康保険証利用の使用について、実績を一定程度有していること
   ※令和6年10月1日から適用
(7)医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得・活用して診療を行うことについて、院内の見やすい場所及びウェブサイト等に掲示していること

 このうち、上記の「(3)」に関しては、3月28日付の疑義解釈で、次のように補足説明されています。
 「オンライン資格確認等システムを通じて取得された診療情報等について、電子カルテシステム等により医師等が閲覧又は活用できる体制あるいはその他の方法により診察室等において医師等が診療情報等を閲覧又は活用できる体制を有している必要があり、単にオンライン資格確認等システムにより診療情報等を取得できる体制のみを有している場合は該当しない。」
 あくまでも、診察室等で情報を閲覧・活用できる体制を整えていることがポイントです。

 医療DXについては、4月2日に開かれた経済財政諮問会議においても、社会保障制度の長期的安定性を確保するための重要な取り組みとして位置づけられ、議論が行われています。内閣官房の医療DX推進本部は、下記のような「医療DXの推進に関する工程表」を公表しています。めざしているのは、医療情報をシームレスに利活用できる体制を整えていくこと。今後も、この工程表に基づき、法改正や診療報酬改定が進められていく見込みです。

 

◎参考
厚労省「令和6年度診療報酬改定【全体概要版】」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238898.pdf

厚労省「個別改定項目について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001220531.pdf

厚労省「疑義解釈資料の送付について(その1)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237675.pdf

内閣官房「医療DXの推進に関する工程表(全体像)」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/iryou_dx_suishin/pdf/suisin_zentaizo.pdf

 

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